Crewneck sweatshirt.

UNUSED　US2204




古着を着なくなった。

高円寺や名古屋の大須へ行くのが楽しみだったのに、

なぜだろう。

今でも古着のデザインは大好きなのに。

思うにおじさんになったので、

古着の「味」とされている部分を

求めなくなってきたからのような気がする。

おじさんは躰から出汁が出ているので、

古着の出汁と混ざると

味がどうにも濃くなってしまうのだ。

おじさんの躰が入ると、

もっと清潔でさらりとしたものでも

十分な味付けとなるのである。

同時に一点ものとかレアだとか、

そういうこともどうでもよくなってきた。

その一点が誰の一点だという問題である。

他人の躰と他人の生活に則った一点よりも

自分の躰と自分の生活に則った一点を

ゆっくり作る方が楽でよい。

おじさんになると生活スタイルが固まってくるので、

新品からはじめても

生活が反映した服になるのが割合早い。

そういう意味でもUNUSED（アンユーズド）なんかは

楽である。

古着のような新品という屈折したコンセプトは

おじさんのライフスタイルの癖を

隠さず服に写し取っていくのにちょうど良い。

清潔感もばっちり。

そこからゆっくりとしたタイム感で、

いつのまにか自分の服になっていくのである。

さて、今回は緑。

胡瓜、葉桜、蛙。

あなたは何を思い出しますか。

「古池や蛙飛びこむ水の音」

芭蕉以前は蛙と言えば鳴き声であり、

水の音に着目した芭蕉の句は

驚愕的前衛だったようだ。

なるほど。

だからなにと言われれても何もないが。









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