Washed Cotton-poplin Band Collar Shirt40%OFF



unfil　WOSP-UM212


2週間くらい前かな、

旧Kingsroadの柘植さんが遊びに来ていて、

その時お子さんの高校エピソードが出てね、

アディダスのリュックはOKだけど

ノースフェイスは上級生に目を付けられるから

NGなんですって。

僕は子供がいないからへ～って聞いてたんですけど。

確かに大学生のお客様でも似たようなことを

おっしゃる方いらっしゃいますもんね。

学校だと悪目立ちするから着られないって。

そうかもしれないなって納得する気持ちもあるし、

でもねって思う部分もある。

両方ですね。



僕が高１の時に３年に、

下級生から「テクノ先輩」って呼ばれてる先輩がいたんですよ。

YMOが流行らせたテクノカットっていう最先端の髪型をしていた。

なにしろ田舎ですから良くも悪くも凄く浮いてました。

テクノ先輩っていう呼び方にも

若干皮肉が込められていたと思います。

僕はYMOも大好きだったし嫌じゃなかったんですけどね。

今思い出すと勇気のある人だったんだろうなって。



これは一度書いたことがあるかもしれないけど、

美大に全部落ちて水道橋の専門学校に通ったんですよ。

最初はオシャレして行ったんです。

中学からお年玉でデザイナーズ服を買ってた為に、

入学の時それなりの服を少しですけど既に持ってたので、

それを着て通学していた。

上京時に夢見たのは、

高校の時ちょっとだけかじった「宝島」や「ビックリハウス」、

「スタジオボイス」といった雑誌に名前が出ていた

「ピテカントロプス」なり「第三倉庫」なりといったクラブで、

田舎のツッパリとは違う人種の不良たちと友達になって

お洒落に遊ぶという姿だったから、

ファッションは大事だと思った。

だけど現実には、

そういう世界は僕にとってとってもとっても遠かったんです。

というのも僕はアメトークの「中学時イケてない芸人」とか

「人見知り芸人」とかに出てくるようなタイプの10代でしたから、

一人でそういう場に出向く勇気もないし、

そういうものに関心があるようなイケてる同級生にも

声をかけられなかったから。

結局学校と家を往復するだけの

灰色の学生生活が孤独に続いた挙句に

「オシャレしても服が傷むだけでもったいないな」っていう

諦めの気持ちが芽生えちゃって、

オシャレして通学するのを止めちゃったんですよ。

ダッさい格好で通学するようになって少し経って、

クラスで目立ってたお洒落グループの横を通ったんです。

本当に原宿や新宿のクラブで遊んでいて、

ヴィヴィアンやMILKや「VOICE」の古着なんかを着ている同級生達。

僕が仲間に入りたくて入りたくてたまらなくて、

ずっとこっそり見ていた人たちの横を通った時、

中でも一番とびきりにお洒落だった子が

こう囁いたんです。

「あいつ、普通になっちゃったね」



向こうも見ていてくれたんですよ!!

アイツお洒落じゃん、

面白そうなやつだな、

服の話ができそうじゃん、

俺たちの方に来ればいいのに、

そう思っててくれたんですよ!!

でも後の祭り。

内心で「！！！！」くらい驚き嬉しかったくせに、

「それって僕の事？」そう言って声をかける勇気もなく、

灰色の生活に身を沈めていっただけ。

僕の青春はそのまま終わりました。

僕が諦めずにずっとオシャレして行ってたら

未来はどうなっていたでしょうか。

彼らと一緒に服の話をして、

知らない世界の扉を開けていたらどうなっていたでしょう。

今でも時々そう思います。

白いバンドカラーシャツはunfil（アンフィル）の新入荷。

あの頃もイッセイとかトキオクマガイとか、

こんなシャツが流行ってました。

懐かしいな。

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