2025年03月03日
時間はまっすぐ流れない(PCのNEW SASHIKO ジャケット)

NEW刺し子ジップアップジャケット
PORTER CLASSIC PC-059-2902
老父と突然同居することになった中年男が主人公の、
オカヤイヅミの「いいとしを」に流れる時間は、
読むものにこの感じは知っているぞと思わせる。
大河に浮かぶ筏に似て、
遠目には川上から川下へ
凪を進んでいるように見えながら、
ところどころで小さな渦が筏を回し、
合流する流れが横っ面を叩く。
穏やかな一方向ばかりではないというわけだが
この感覚は嫌な感じではないのだ。
同じ作者の「白木蓮はきれいに散らない」では
時間はもう少し忙しい。
突然駆けだしたかと思うと、
次には後ろ向きに走り出すといった具合で、
落ち着きのない子供のようだ。
記憶に薄い同級生から遺産の贈与を受けるという
突飛な境遇の主人公三人は、
時間を戻ったり行きすぎたりしながらおろおろする。

そう言えば少し前に坂本龍一展をみた。
こちらも時間にまつわる展示だったが、
オカヤイヅミの登場人物たちが
できるだけ平凡さが伝わるよう描かれていて、
時間との付き合い方に戸惑うばかりなのに対し、
坂本龍一とその仲間という非凡さを極めた人たちが
過去から未来へ一定のリズムで流れるとする
近代的な時間の概念をくつがえしてやろうと
仰山に構えたところが異なる。
わたしは圧倒されたままに鑑賞を終えた。
ただこの非凡な構えに
オカヤ作品の平凡な戸惑いが劣るかと言われれば、
そうは言えない気がする。
これはとても大切なことだと思う。

むかし吉本隆明という詩人が非凡さを、
生まれたという間違いを
取り戻そうとする姿だと称したことがあった。
彼によれば坂本龍一だって、
無意識が荒廃した可哀想な人だということになってしまう。
もちろん真っ先に自身をそう勘定していたには違いない。
が、だからこそなのか、
その言葉には迫真さがあった。
詩人はその迫真さをもって平凡であることを擁護していた。
おろおろする姿を肯定していた。
そう感じるのが今だとして
これはいつの出来事ということになるのだろう。
* * * * *

PORTER CLASSIC(ポータークラシック)の
NEW SASHIKO ジップアップジャケット。
坂本龍一みたいな天才だけでなく、
ぼくたちみたいな普通の人でも
なんとなく雰囲気が引き出される気がする、
そんな一枚です。
むかしと今と未来が交感する感じが好き。
なおNEW SASHIKO LIGHT ジップアップジャケットとは
色違いでなく別物になります。
特にサイズ感は全く異なるのでご注意ください。
こちらはいつもより大きめです。
だからサイズを下げてという意味ではありません。
大きくざっくり羽織る良さもありますから。
ぼくもいつも通りのサイズで選んでいます。
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Posted by ナーレンシフ at 20:19│Comments(0)
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