ウールモヘアドスキンジャケット


noir kei ninomiya　3L-J006-051


わたしが子供の頃、

黒い服を着るのはお葬式か結婚式だけでした。

正装の際に着るものだったのです。

ビジネスマンの背広は紺かグレー。

働く男たちは皆同じグレーの背広なので、

サラリーマンは溝鼠のようだと揶揄された、

昭和のお話。

50代なら確実に、

40代以上の人もなんとなく覚えているはずです。



黒を日常着として定着させたのは

Comme des GarçonsとYohji Yamamoto。

最初はカラス族と呼ばれたファッションスノッブから。

それが気づかないほど自然に

一般大衆にまで広がった。

80年代後半以降の出来事なので、

それほど昔の話ではありません。

日本だけでなくヨーロッパの人々の間にまで。

僅か十年前後で世界が変わってしまったのです。



話は少し変わって美術の話題。

マネの師であるブータンの絵画に登場する女たちは

浜辺でも重厚なドレスを着ています。

今はもうこんな女性はどこにもいません。

どんな女性も夏の浜辺では

スポーティー或いはリゾートらしい軽装になる。

現代では当たり前の風景は

ガブリエル・シェネルがもたらしたもの。

わたしが生まれる以前の出来事ですが、

おそらく黒い日常着と同じように

気づかないほど自然に

世界が変わっていったのだろうと想像します。



ファッションの仕事とはこういうこと。

流行とは決してネガティブな事象ではなく、

市井の人々が自然に、

より自由へと変われてゆく姿のこと。

たしかに新しい提案を最初に受け入れるのは

いつの時代もファッションピープル達かもしれませんが、

それは本来「呼び水」のようなものだったはず。

真に大切な変革はそのもっと先で形になる。

ファッション村の村内で

ファッショニスタの記号としての衣服を

目まぐるしく変えることを

ファッションの仕事だと思い込んでいる者には、

本当の仕事はできないでしょう。



noir kei ninomiya（ノワール ケイ ニノミヤ）のジャケット。

70年代サンローラン風の大きなピークドラペル。

本切羽、お台場仕立て。

ジャケットが男のものだった頃の歴史を

フロントに封じ込めつつ、

背中はなんとコルセット型。

女性の腰に沿うシルエットにレースアップのデザインが入った

センシュアルなバックシャン。

異なる二面性を同時に体現するジャケットは、

ファッションの本当の仕事を伝えるデザイナーのDNAを

受け継ぐ新世代による最新作。

貴方の心とあなたを見る者の目が

変わってゆく先で起こる出来事。

それがファッションの仕事。

ファッションの力。

本日発売。

お問い合わせや通販の方法は下記URLに記載しています。

⇒https://narrenschiff.jp/?pid=176370479

Narrenschiffなら送料と代引き手数料ともに無料

****************************
＜各商品の詳細と通販はＨＰから＞

https://narrenschiff.jp/

****************************