VEGETABLE DYED SHIRT



doublet　22SS21SH104



とても珍しがられるが、

わたしは食べることがさほど好きでない。

嫌いなものが多いという意味ではない。

それどころか出されたものは大抵何でも食べる。

興味そのものが薄いのだ。

子供の頃はもっとはっきりと苦手だった。

理由はよそう。

ハッピーな内容とはなり難いからだ。

ここまではわたしの過去の食の話。



そんなわたしでも

好美が毎日用意してくれるお弁当はおいしい。

わたしの好みの味に寄せてくれてあるし、

なにより温かい。

（去年バックヤードに電子レンジを買った）

それに彼女は料理が嫌いでないらしく、

楽しそうに詰められている。

お菓子もよく食べる。

子供の頃は間食が一切許されていなかった。

お菓子をつまんでいると

自由を感じることができるのが良い。

これはわたしの今の食の話。

自身の過去の食への反抗から生まれた

今の食の話。



ここからはわたしの明日の食の話。

わたしは55で、

間違いなく若くない。

近い将来食事に制約ができるかもしれない。

甘いものがアウトになったら嫌だろう。

自由がまた奪われたような気持ちになりそうだ。

それどころか大病を患えば、

流動食になることだってある。

それでもなお

「ごはんがたのしみ。」

そう言えるだろうか。

そう言いたい。



わたしはきっと、

自身の過去にも今にも反抗しながら

まだ知らない楽しみに満ちた

明日の食を生きるに違いない。

さあ、やっとファッションの話になった。

小さなわたしが服を好きだったのは

母が理由だった。

今のわたしが服を好きなのは

わたしが理由だ。

母に反抗しながら見つけた私の人生が理由だ。

明日のわたしの理由はなんだろう。

わたしは今よりもっと服を好きでいたい。



捨てられるはずだった野菜から抽出した

天然成分を加えた染料で染色したシャツ。

この色は赤蕪。

いつもならそのまま破棄されて野菜を活かした

エコロジカルなシャツ。

かっこいい。

着てみたい。

地球のためになっているからだろうか。

それがこのシャツを着たい理由だろうか。

わたしの明日の理由だろうか。



ここまでのわたしのファッションは

自由と自由奪うものへの反抗でできていた。

明日はなにが違うのか、

わたしはどう変わるのか、

自分でもわからない。

話を食に戻そう。

スーパーで野菜を選ぶ。

わたしは昔も今も買い物が好きだが、

洋服屋になってしまったことで

服を買う楽しみを失った。

スーパーでは買い物の悦びが戻る気がする。

自分で選ぶことの自由が感じられる。

今夜、赤蕪を選ぶ。

自由に選ぶ。

それが明日のお弁当に入る。

すごく、楽しみだ。

通販は1月15日（土）からNarrenschiff.jpの下記URLで。

⇒https://narrenschiff.jp/?pid=166058306

送料と代引き手数料は無料です。

****************************
＜各商品の詳細と通販はＨＰから＞

https://narrenschiff.jp/

****************************