2024年01月13日
【本日再販】dobuletのキーチェーン
10 WORDS KEYCHAIN
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ぼくたちは普段なにげなく「日本語」「標準語」「国語」と言う。
「正しい日本語」とさえ言ったりする。
でも明治までたどれば、人々は東北弁、江戸弁、関西弁、九州弁のように、その土地の言葉を話していた。
「日本語」なるものを話している人なんていなかった。
「日本語」なるものがどこからきたのか。
秋田の人と沖縄の人で話が通じないのはまずかろう、、、もしかしたらそんな風に導入されたかもしれないな。
それが実体はない理想のなにかだと、だから最初はみんなわかっていたのだ。
「日本語」を提案する側も、学ぶ側も。
なのに明治大正昭和平成。
長い国語教育で「日本語」が隅々までいきわたると、認識の転倒が起こった。
あらかじめ正しい日本語があったかのように。
いつのまにか「正しい日本語」がパワー（権力作用）を持ったのだ。
見えないし大きくも無いけど、確かに存在する強制や抑圧の作用。
権力作用はいつだって自らの出自を覆い隠し、正当のようにふるまう。
さて、ファッション。
ぼくたちは普段なにげなく「ベーシック」「スタンダード」「定番」と言う。
「普通の格好」とさえ言ったりする。
でも明治までたどれば大衆は和装だった。
今では「普通の格好」の象徴のように思われているアイビーは60年代ごく一部の流行として登場した。
そもそも既製服が庶民に浸透したのは70年代。
「定番」と言う言葉が使われだしたのは80年代。
既製服に圧されて家からミシンが消えたのも、黒い服を日常で着るようになったのも、なんと平成以降。
「普通の格好」「ベーシック」なるものは、いったいどこの誰の「普通」「ベーシック」だったのか。
コーディネートの柱となるスタイルやアイテムが決まっていれば誰もが格好よくなれるはず、、、。
雑誌かデザイナーかブランド（当時はメーカーと呼ばれた）かわからないけど、きっとはじめは誰かがそんな風に提案したに違いない。
それが実体はない理想のなにかだと、だから最初はみんなわかっていたのだ。
「ベーシック」を提案する側も、学ぶ側も。
なのにMUJI（当時は無印良品）やUNIQLOが隅々までいきわたると、認識の転倒が起こった。
あらかじめ普通の格好があったかのように。
いつのまにか「普通の格好」がパワー（権力作用）を持ったのだ。
見えないし大きくも無いけど、確かに存在する強制や抑圧の作用。
権力作用はいつだって自らの出自を覆い隠し、正当のようにふるまう。
誤解しないでほしいのは、ぼくもベーシックと呼ばれる服装は大好きだし、UNIQLOやMUJIも愛用してる。
ただ、意図せずともどうしてもそこに発生してしまう権力作用を、無自覚に下支えするばかりの世の中だと、ちょっと怖い、ちょっと生きにくい。
できるならその力を解体して、今よりもっと自由に楽しんでいきたい。
ファッションには、社会的地位や役割を明示したり共感を集めるたりするような＜固める運動＞と、それを突き崩すような＜解体する運動＞の両方が常に働いている。
もし今のファッションが少しだけ＜固める運動＞に偏り過ぎているのなら、自由の方へ肩入れしたい。
「ベーシック」の話はその一例。
一方に重心がかかり過ぎるのは健全じゃない。
傾いだ場所で水は一方へしか流れず、やがて狭い場所で澱み溜まってしまうだろう。
平らな場所でなら、水は大いなる樹木の根のように自由に四方へと流れ、遠くまで染み入っていく。
上質な「ベーシック」を提供するUNIQLOが＜固める運動＞だとしたら、＜解体する運動＞の役割を担うのはデザイナーズ。
そう、doublet（ダブレット）のような。
そして、そんな二つの異なる運動を結ぶ役割なのがぼくたちだ。
ベーシックと呼ばれるスタイルと、そこからはみ出すアイテムを、繋いで着こなす。
二つの運動が行ったり来たりする時、そこには運動の循環が生まれる。
異なる運動の対立による静止ではない、豊かな循環。
それをNarrenschiffとぼくたちの、2024年のやり方にしたい。
doubletのキーホルダーを結わえたキーチェーン。
いつもの「ベーシック」なパンツに繋ぐだけで、なにかが解け、ファッションが回りだす。
ほどくと結ぶを繰り返して遊ぶアイテムを、その循環の始まりにしよう。
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Posted by ナーレンシフ at 10:47│Comments(0)
│doublet
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